一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
セミクジラの骨格標本 (その1:全身)
東京海洋大学海洋科学部付属水産資料館「鯨ギャラリー」
に展示されているセミクジラ (North Pacific right whale, Eubalaena japonica) の全身骨格標本である。 国際捕鯨取締条約第8条に基づいて日本が行った科学研究目的の特別調査 (1956~1968年) 期間中の1961年8月に、米国アラスカ半島 コディアック島南方60海里沖で捕獲されたものである。
水産資料館「鯨ギャラリー」内の展示説明書きには次のように記されている。
1961年8月にアラスカ半島コディアック島南方60海里沖で発見された大型の雄で、頭骨の全長は5.1m (体長の30%) に達し、 上顎 (じょうがく) は細長く大きく上方に湾曲して本種の特徴がよく現われている。脊椎骨は頸椎 (けいつい) 7、胸椎14、腰椎10、 尾椎25の計56個であるが、頸椎は全て癒合して一体化している。本種の胸鰭部分は上腕部がかなり短いことが特徴で、指は5列ある。 肋骨の基部は基本的に双頭状で胸椎と独特の環節様式をとっている。尾椎の腹側には計18対のV字骨が付属していて強靭な尾部を支え、 腰椎後部の腹側中空には痕跡的骨盤骨と退縮した大腿骨があり、遠い祖先が陸上で歩行していた 頃の名残りをとどめている。」
[2011.12.22.東京海洋大学・海洋科学部・付属水産資料館「鯨ギャラリー」にて]
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