明石と淡路島間に架かる長大の吊り橋「明石海峡大橋」。橋の長さは約4㎞に及ぶ。トラス構造の橋桁 (補剛桁と称される) を支えるのは、
海上に建設された2本の主塔 (高さ約300m)、及びその橋桁を吊るすケーブルである。上の大画像は、その主塔の基礎がいかなる
構造物をもって海中に築造されたものであるかを示す模型である。
* 主塔基礎: 主塔をしっかりと固定し、主塔に伝えられる橋桁やケーブルなどの重量を支え、これを地盤へ伝える役割をもつ。
明石側の橋台のすぐ隣に「橋の科学館」 (Akashi Kiakyo Bridge Exhibition Center) が併設されている。
明石海峡大橋を主体に、本四連絡橋に関する世界最高水準の架橋技術をパネル、模型、映像などをもって紹介している。
画像はその科学館で切り撮ったものもである。
先ず、主塔建設用土台(基礎構造物)となる綱ケーソンを海底に設置するための海底掘削工事が行われた。画像1は、そのケーソン
を沈設するための掘削工の様子を示す模型である。浚渫船上の浚渫機械が保持する大型クラブの重さは200トン、
その掘削容量は17.5m3である。この浚渫船でケーソン支持基盤が造成され、かつ掘削精度±50㎝をもって仕上げられた。
陸上で製作された綱ケーソンは、直径80m、高さ70m、総重量1.9万トンで、ドーナツ型、底のある二重壁構造をもち、
甲子園球場のグラウンドより少し小さめの底面積をもつ。ケーソンは洋上に浮かべられ、タグボートで現場海域まで曳航された。
明石海峡は潮流が速いので、潮の満ち干が均衡し、潮止まり、即ち潮流が止まるわずかな時間において、決められた海中位置に
ケーソンを正確に沈設させねばならなかった。科学館での展示を通して、ケーソンの位置決め、係留、沈設するための
エンジニアリング・ワークを知ることが出来る。
海水が二重壁部に注入され沈降し、ケーソン留置は新規開発されたクイックジョイントにより海底のシンカーと素早く連結され、
施工誤差5㎝以内での沈設が実現された。また、潮流によってケーソン周辺の海底地盤が浸食される現象(いわゆる洗掘)を
防止する構造をもって施工されている。大画像は、ケーソンを海中に沈降させるシミュレーションを体験できる綱ケーソン
沈設模型 (縮尺1/150) である。
主塔に架けられた2本のケーブルは、補剛桁 (トラス構造の橋桁のこと) を吊り上げるためのハンガーロープを通じて、
橋桁そのもの、および通行する自動車の重量を支える。200年以上の維持管理を目指すとされる。
ケーブルの構成は以下の通り。
1本のケーブル用鋼線(素線という)は直径5.23mm。1本のストランドには素線127本が正6角形に束ねられている。
ケーブル全体では290本のストランドが束ねられている。円形にしたケーブル全体の直径は1.122mである。
ケーブルの総素線数は36,830本、素線の長さは約4.1kmあるので、2本のケーブルの素線を全て繋ぎ合わせると約30万㎞の長さとなる。
これは地球7周半の長さに匹敵する。
2本のケーブルで吊られている橋桁 (補剛桁) の全重量は、約9万トンである。東京スカイツリーの重量が約4.1万トンであり、
その2.2個分を吊っていることになる。
因みに素線1本で乗用車3台 (3.9トン) 支えることができる。橋桁に乗せることが可能な車両台数は、10トントラックで一度に
約750台、約1.5万トンである。
[2013.04.20 橋の科学館にて; 舞子海上プロムナード/橋の科学館などへの最寄駅:「JR舞子駅」]
[拡大画像: x25162.jpg][拡大画像: x25774.jpg: ケーソン沈設模型説明書き][拡大画像: x25785.jpg:主塔基礎]
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