画像1~18は熊本博物館(熊本市)で「熊本の海藻」と題して展示される、熊本県産の海藻17種である。
海藻と海草は時に混同されることがある。海藻と海草は同音異義語である。読み方が同じであっても種類が全く異なる
生き物である。
海藻は「海の藻」と書く通り海に生える藻の総称である。他方、海草は「海の草」と書く通り海中に生える種子植物である。
そして、「海藻」と区別するために「海草」は「うみくさ」とも呼ばれる。
藻類である海藻には根・茎・葉の区別がない。海藻に根のようなものがあっても、海中で流されないように体を固定するための
ものでり、種子植物のように養分を吸収する能力をもつものではない。
因みに、コンブ(昆布)・ワカメ・ヒジキ・モズク・テングサ・アオサ・アオノリなどは全て海藻である。コンブやワカメは「海草」
の類いと思われがちであるが、一般に食用とされるコンブ、ワカメ、ヒジキ、モズクなどはいずれも海藻である。
他方、海草は種子植物の仲間であり根・茎・葉の区別がある。海洋性哺乳動物ジュゴン(*)は海草を主食としているが、基本的には食用になる
海草はない。海草は沿岸域に生息し、アマモ、スガモ、ウミショウブ、イトクズモなど、世界で約60種類あるといわれる。
「海草藻場(もば)」という群れを作って、魚貝類の産卵や棲息場としての役割も果たしており、「海のゆりかご」とも
称されている。
* [参考]ジュゴン(dugong; [学名]Dugong dugon)[ジュゴン科; インド洋などの熱帯・亜熱帯地方の海に棲息する水生哺乳
動物の一種であり、その中でも唯一の草食動物である。主食はアマモなど]。
なお、海藻と海草はまったく異種の生き物ではあるが、太陽エネルギーで光合成をすることでは共通する。
1. ウミウチワ [学名]Padina arborescens [アミジグサ科(Dictyotaceae)[拡大画像(z22723.jpg)/熊本博物館]
2. アカモク [学名]Sargassum horneri [ホンダワラ科(Sargassaceae)[拡大画像(z22724.jpg)/熊本博物館]
3. ユカリ [学名]Plocamium telfairiae [ユカリ科(Plocamiaceae)[拡大画像(z22725.jpg)/熊本博物館]
4. マメタワラ [学名]Sargassum piluliferum [ホンダワラ科(Sargassaceae)][拡大画像(z22726.jpg)/熊本博物館]
5. アミジグサ [学名]Dictyota dichotoma [アミジグサ科(Dictyotaceae)][拡大画像(z22727.jpg)/熊本博物館]
6. ナガミル [学名]Codium cylindricum [ミル科(Codiaceae)][拡大画像(z22728.jpg)/
熊本博物館]
7. ボウアオノリ [学名]Ulva intestinalis [アオサ科(Ulvaceae)][拡大画像(z22729.jpg)/熊本博物館]
8. ムカデノリ [学名]Grateloupia asiatica [ムカデノリ科(Halymeniaceae)][拡大画像(z22730.jpg)/熊本博物館]
9. モツレミル [学名]Codium intricatum [ミル科(Codiaceae)][拡大画像(z22731.jpg)/熊本博物館]
10. ミル [学名]Codium fragile [ミル科(Codiaceae)][拡大画像(z22732.jpg)/熊本博物館]
11. マクサ [学名]Gelidium elegans [テングサ科(Gelidiaceae)][拡大画像(z22733.jpg)/熊本博物館]
12. カゴメノリ [学名]Hydroclathrus clathratus [カヤモノリ科(Scytosiphonaceae)][拡大画像(z22734.jpg)/熊本博物館]
13. ヒジキ [学名]Sargassum fusiforme [ホンダワラ科(Sargassaceae)][拡大画像(z22735.jpg)/熊本博物館]
14. ウミトラノオ [学名]Sargassum thunbergii [ホンダワラ科(Sargassaceae)][拡大画像(z22736.jpg)/熊本博物館]
15. フクロノリ [学名]Colpomenia sinuosa [カヤモノリ科(Scytosiphonaceae)[拡大画像(z22737.jpg)/熊本博物館]
16. ワタモ [学名]Colpomenia bullosa [カヤモノリ科(Scytosiphonaceae)][拡大画像(z22738.jpg)/熊本博物館]
17. クロメ [学名]Ecklonia kurome [カジメ科(Lessoniaceae)][拡大画像(z22739.jpg)/熊本博物館]
18. オキチモズク [学名]Nemalionopsis fortuosa [チスジノリ科(Thoreaceae)][拡大画像(z22740.jpg)/熊本博物館]
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