画像1・2は、1791年における長崎の出島・唐人屋敷を含む町と港を描いた絵図である。「長崎図 1791年 松浦史料博物館所蔵」と題する
展示パネルには次のような趣旨の説明が付記されている。
1641年、オランダ商館は平戸から長崎出島に移転させられた。その後出島は約218年間西洋との窓口として栄え、
様々な文物が輸入された。本絵図は長崎の街と港の様子を描いた貴重な資料で、長崎を象徴する出島や唐人屋敷、さらに
中島川に架けられた石橋群などが詳細に描かれている。
[参考] 1609年に平戸に設置されたオランダ商館であったが、1637年築造の石造倉庫や住居などの破壊命令が江戸幕府によって順次下された。
そして、1640年には、幾つかの理由の下に、完成間もない大型で石造りの「1639年築造倉庫」の破壊も命じられた。
さらに、1641年に幕府から長崎出島への移転が命じられた。かくして、33年間にわたる平戸交易時代の歴史に幕が下ろされた。
出島はもともとポルトガル人を隔離するために築造されたものであった。移転後にあっては、オランダ商館も幕府の厳しい管理下に
置かれながら、約218年にわたる長い出島交易時代を迎えることになった。
[撮影年月日:2023.06.14/場所: 長崎県平戸市「平戸オランダ商館」]
画像1&2. 長崎図全体と出島・唐人屋敷などの拡大図。 [拡大画像: x29257.jpg][拡大画像: x29258.jpg]