画像1は「熊本博物館 (Kumamoto City Museum)」に展示される「石錘」(Stone Weight)である。展示パネルには「縄文時代、
出土地: 熊本市」と記される。
縄文人は、狩猟・漁労・農耕・採集などの目的に合わせて、石材を選択し加工すべく知恵を絞り工夫を働かせて石器作りをしていた。
画像は、漁に使う網に錘としての石を取り付けるに当たり、縄を括りやすく、また縄から外れにくくするために、
石の周囲や両端に溝や切り込みをつけている。
ところで、展示パネルによれば、縄文時代には、白川や緑川に挟まれた現在の熊本平野一帯では、「縄文の海進」によってその海岸線は
内陸部へ大きく入り込んでいた。そして、多くの貝塚がその海岸線に沿って存在していた。博物館ではそのような縄文貝塚から発掘された
さまざまな石器、装身具などが、熊本周辺部の「縄文海進期の地層と貝塚の分布」を示す地図とともに展示される。
画像1の石錘は、現在の南区役所の西方近傍にある「阿高貝塚」において発掘されたものである。
[画像1~2撮影日時:2023年6月9日/場所:熊本博物館]