画像は国立科学博物館・企画展「海」(2023年)において展示された「インドネシアシーラカンス」の全身標本である。
展示パネルによれば、シーラカンスは硬骨魚の中の「肉鰭亜綱(にくきあこう)」に属する。肉鰭亜綱は鰭(ひれ)の付け根に骨格のある柄を
もつことが特徴である。他には肺魚などがいる。多くの種類が古生代や中生代に現われたが、ほとんどの種類が絶滅し化石でしか
残されていない。現存するシーラカンスもアフリカとインドネシアに棲息する2種類しか知られていない。
身体の構造が化石のシーラカンスとほとんど変わっていないため「生きた化石」と呼ばれる。
「生きた化石」が世界で最初に捕獲されたのは1938年のことであり、南アフリカのチャムルナ川の沖合であった。その後、1952年に
アフリカ沖合のコモロ諸島で広い範囲の生息地において発見された。現在では南アフリカ、コモロ、マダガスカル、モザンビーク、
タンザニア、ケニアで発見されている。
1997年にはインドネシアの魚市場でシーラカンスが発見され、別種の「インドネシアシーラカンス」、[学名]Latimeria menadoensis
[ラティメリア科]と名付けられた。
[参考]
Latimeria chalumnae: [魚]シーラカンス[シーラカンス目(Coelacanthiformes)].
/coelacanth: n.[魚]シーラカンス(cf. latimeria)、腔棘魚(こうきょくぎょ), [学名]Latimeria chalumnae Smith
[シーラカンス科] .
[参考]現存する前世期の魚; 中生代の白亜紀に絶滅したと考えられていたが(約6,000万年前に絶滅したと考えられている)、
1938年アフリカ東岸で発見され、「生きた化石」として話題になった、硬鱗(こうりん)魚の種類。体長1.5mほどの大型の海魚;
南アフリカ東岸のコモロ諸島近海などで生きたまま漁獲されたことがあり、「生きた化石」と称される; 硬鱗魚(こうりんぎょ)の類.
/coelacanthine, coelacanthous: adj.[魚]シーラカンスの.