画像1・2は、回収された海洋ゴミから創作された「海ゴミモンスター君」(画像1)、「海ゴミバード君」(画像2)である。
国立科学博物館・特別展「海」(2023年)において展示された。
モンスター君・バード君は、その愛嬌のあるフォルムや容姿から、
いずこで展示されても大人気であるという。だがしかし、これらの素材の全てが我々人間の生活や産業の場から流出した海洋
ゴミであることを忘れてはならない、と作品紹介パネルには記されている。
世界海洋は今なおあらゆる廃棄物の最終ゴミ捨て場のような機能を果たしている。自然海には自浄作用能力はあるとはいえ
限度がある。展示作品は海岸などに漂着したさまざまな廃棄物をもってこのような「芸術的作品」が制作されている。
アート的作品の出来栄えやユーモラスへの純粋な感動も大事であるが、海や自然環境への思いやり、生活環境保全のための我々個々人
の行動変容なども強く訴え掛けている。
プラステチックは軽くて、丈夫で、安価であり、加工も容易、その製品は我々の生活・産業の隅々まで入り込み欠かせないものとなって
いる。年間約4億トンのプラステチックが生産され、ある推計によると年間900万トンから1,400万トンの
プラステチックゴミが陸上から海洋へ流出していると言われる。プラステチックはほとんど分解されず、
消えないゴミとして海に溜まり続ける。マイクロプラスティックといわれる大きさ5mm以下のゴミは海洋生物の体内にも
摂取され生物学的蓄積がなされ続けることになる。海洋生物の健康や生態系への負のインパクトの一層の深刻化が懸念されている。
[画像撮影年月日:2023.09.16/場所: 国立科学博物館・特別展「海」・2023年]