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「東洋のドーバー」と謳われる千葉県銚子の「屏風ヶ浦」
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1. 「地球の丸く見える丘展望館」からの「屏風ヶ浦」全景 [拡大画像: x29227.jpg]
ところで、関東地方の「武蔵野台地」や「下総台地(しもふさだいち)/Shimofusa Plateau」は、地質学的観点からすれば、 全く新しい地質年代の地層の上に存立している。因みに、下総台地は、約300万年前から40万年前に海に堆積した「犬吠層群」と、その上に 不整合で接する10万年前頃に堆積した「香取層」、そして「関東ローム層」からなるという。だが、その深い地下にあっては、 1億年以上の前の古い時代の地層(古生代と中生代の地層)である基盤岩(basement rock)が存在している。 いずれにせよ、かつて海に堆積した海底地層が隆起によって形成されたのが下総台地であり、そして海の波によって浸食されてきた 結果として露出しているのが今の「屏風ヶ浦」の断崖景観である。まさに「屏風ヶ浦」は下総台地表面の縦断面を見ていることになる。 添付画像3の地図において、「屏風ヶ浦」の東方に突き出た、マッシュルームを横に倒したような小半島地形を見て取れるが、 そこに地質学的な特異性がもう一つ存在する。下総台地の東端先端部に当たる、標高70mほどの「愛宕山」(画像3の「現在地」と 赤色四角で記されるところ)や、犬吠埼灯台が立つこの小半島上の台地辺りだけは、地質学的に極めて特異とされる。 即ち、1億年以上の前の古い時代の地層(古生代と中生代の地層)が地殻の押し上げによって露頭状態になっている。 特に、「愛宕山」などの小半島先端の地層は、関東平野で最も古い2億年前頃の地層と考えられ、同平野の中でも当該の銚子周辺 だけにおいて局所的にそのような古い地層が露出しているとされる。 「屏風ヶ浦」というグレート・クリフの成り立ちや、またその東方の小半島地形の大地の何がすごいのか、今回の旅で少しは理解を深める ことができた。 [出典: 「屏風ヶ浦」、「地球の丸く見える丘展望館」などでの地形・地学・地質学的な公的案内パネル参照]
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4 4. 「地球の丸く見える丘展望館」敷地内の歩道に埋め込まれたタイル図絵。 [画像1~4・撮影年月日: 2023.02.15-16/撮影地:「地球の丸く見える丘展望館」および「屏風ヶ浦」遊歩道入り口付近]
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