Page Top


一枚の特選フォト「海 & 船」

One Selected Photo "Oceans & Ships"

Back to: Top Page | 特選フォト「海&船」目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ


    横浜港の発展小史 (その1)/江戸時代末期(1859~1867年)


    1
    1. 1859年(安政6年)頃の横浜の港。クリペが描いた「横浜絵図面」(部分)(横浜開港資料館所蔵)。である。左の突堤下に「運上所(Japanese Custom House)」がみえる。 直線状の2本の突堤が整備され、背後には運上所が設置、東側が東波止場、西側が西波止場と呼ばれていた。

    2
    2. 江戸時代初期の横浜(模式図)。江戸時代初期には、横浜村の背後には、大岡川の河口から「大海(たいかい)」と呼ばれる外海に 向けて入り江(入海・いりうみ)が広がっていた。横浜の地名の由来=「横に長い浜」から付けられた。 画面下左に横浜村が、その右・対岸に神奈川町が見える。

    3
    3. 「安政7年(1860)」と付記される「ペリー艦隊日本遠征記」の付図/横浜開港資料館所蔵。ペリー提督一行に応対した「横浜応接所」 が小赤丸でマークされている。その前浜に直線状の2本の突堤が整備された(大きな赤丸が岸に接する辺り)。アメリカの付図では 横浜村の後背地はなおも入り江のままとなっている。 "Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan", Attached map, Yokohama Archives of History.

    4
    4. 「嘉永7年ペルリ提督上陸当時(開港前)横浜村外六ヶ村図」(出典:「日本地理風俗大系」(昭和5年)より)。嘉永7年=安政元年=1854年。 入り江には吉田新田、横浜新田 太田屋新田などが干拓(埋立て)されている。太田屋新田の下に「横浜村」がみえる。その右の砂州の先端に 「象の鼻」という地名が記されている。 吉田新田は吉田勘兵衛によって埋め立てられたもの。

    5 ペリー横浜上陸図(横浜開港資料館所蔵)。1854年(安政元年)に日米和親条約(神奈川条約)が締結された。



      * 1853年(嘉永6年)、米国大統領の国書を携えた東インド艦隊司令長官マシュー・ペリーが率いる艦隊が、開国や通商を求めて浦賀沖 に来航した。

      * 翌年の1854年(嘉永7年・安政元年)、条約締結の全権大使であるペリーは幕府からの返答を求めて再度浦賀に来航した。その後、 軍楽隊を伴って横浜村に上陸し、開国に向けての条約締結交渉の席に就いた。

      * 世界史の表舞台に初めて登場した横浜は、戸数約100戸の半農半漁の村であった。当時の村は大岡川の河口部に突き出た砂州に 位置していた(図2~4参照)。ペリーらが上陸した地点はこの砂州のほぼ中間であった(現在の「横浜開港資料館」の前面辺り)。 幕府はここに「横浜応接所」を設け一行を迎えた。そして、この地で、1854年、ペリーと林復斎(はやしふくさい)との間で「日米 和親条約」を締結した。下田と函館が開港され、下田には米国領事館が置かれることになった。かくして、日本の鎖国政策は終わりを 迎えた。

      * その後、1858年(安政5年)、江戸幕府は、米国のハリスとの間で「日米修好通商条約」を締結した。また、同年に、英国、 フランス、オランダ、ロシアとの間でも修好通商条約を締結した(「安政の五ヶ国条約」と称される)。同条約に基づき、神奈川とともに、 下田、箱館、長崎、新潟、兵庫を開港するに至った。幕府は神奈川については外国公館の反対を押し切って開港場を横浜と決定した。

      * 条約上は神奈川の開港につき取り決められたが、東海道・神奈川宿近辺での外国人居留を避けるため、また横浜村は神奈川の一部 であるとして、幕府は横浜村での開港を進め、翌1859年(安政6年)3月にはその建設に着手した。即ち、波止場と「神奈川運上所」の建設、 その背後に外国人居留地と日本人街の整備が進められた。波止場建設が着手された位置は、ペリー一行が上陸した地点(図3参照)と ほぼ重なっている。

      [画像1~5の撮影年月日:2022.04.17/主な出典:横浜港発祥の地である「象の鼻パーク」の一角に設営されている横浜開港とその変遷 を紹介する横浜市の公式案内パネルである]


このページのトップに戻る /Back to the Pagetop


一枚の特選フォト「海 & 船」

One Selected Photo "Oceans & Ships"

Back to: Top Page | 特選フォト「海&船」目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ