1. 「ぶらじる丸」(二代目)は大阪商船三井船舶の貨客船であった。1954年(昭和28年)に就航して以来、日本から南米諸国への
移民船として活躍した。竣工後まもなく「ぶらじる丸」はブラジルへの移住者603名、その他の船客293名を乗せて神戸港を出港し、
処女航海の途に就いた。その後20年近い歴史的経緯を経て、第一回「日中青年友好の船」としての航海を最後に、1973年
(昭和48年)9月限りで、その就航を終えた。
2. 南米移住者の減少による乗船率の低下などが原因で引退した「ぶらじる丸」は、1974年(昭和49年)7月1日から三重県鳥羽市に
係船され、ブラジル展示館、レストラン、土産店などが入居する海上パビリオン「鳥羽ぶらじる丸」となった。その後、
1996年(平成8年)1月同パビリオンの営業不振によって閉館となった。同年1月20日に「お別れ会」が開催された。
3. 同船は解体のため上海へ曳航されたが、広東省湛江市に本拠をもつ「湛江海上城市旅遊娯楽」の張華生会長が買収し、湛江市に係留
のうえ、海上パビリオン「湛江号海上城市」として利用された。アミューズメント施設やレストランなどが入居する一方、外装や操舵室
などはそのまま残された。
「ぶらじる丸」の主要目
総トン数: 10,216.6トン
純トン数: 5,946.4トン
全長: 147.49m
型幅: 19.6m
深さ: 11.9m
馬力: 9,000 HP
進水年月: 1954年
(1953年10月27日新三菱重工業神戸造船所で起工、1954年4月6日に進水、7月10日に竣工した)
[撮影年月日:2022.05./場所: 山形県酒田市「酒田海洋センター」にて][拡大画像: x29176.jpg]
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