画像1は秋田県にかほ市の旧塩越港(現・「象潟(大澗・おおま)海水浴場」辺り)の係船石柱である。画像2はその沖に立つ
「沖の棒杭」と呼ばれる係船石柱である。
係船石柱の傍に立つ「にかほ市教育委員会」の案内パネルによれば、
「象潟(大澗・おおま)海水浴場」は、その昔、江戸時代本荘藩の天然の良港であり、塩越港の一部として栄えた。
塩越港は大澗・小澗(こま)・鰐渕(わにぶち)を総称するもので、中でも大澗は千石積み以上の大船12艘を係留できたといわれる。
塩越港は、領内の米穀、物資の集散はもちろんのこと、矢島・亀田の他藩にも集散が及んだ。雄勝・平鹿・仙北方面への
物資(塩・海産物・砂糖など)もこの港を経由して移入された。これらを業とする駄馬(荷物を運ぶ馬)は260頭、
大問屋も7軒あったといわれ、当時の繁栄振りを窺うことができる。
砂浜から海上約300mほど沖の海中に立つ石製の杭が、当時の北前船をつないだ「沖の棒杭」(平成20年に複製された)であり、
歴史的に非常に貴重なものである。なお、この石製の杭には、沖の棒杭付𠆢丁(やまちょう)の文字が刻まれている旨が記されている。
[撮影・年月日:2022.06.02/場所: 秋田県にかほ市の旧塩越港(大澗・小澗(こま)・鰐渕(わにぶち)の総称)にて]
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