画像は山形県酒田市の「山居(さんきょ)倉庫」に展示される「小鵜飼船(こうがいぶね)」の実物(復元船)である。
「小鵜飼船」と題する解説パネルが添えられている。横山昭男氏の「最上川舟運と山形文化」を参考にして記されたものである。
その添え書きでは以下のように概略説明されている。
小鵜飼船は最上川での物資の河川輸送(河川舟運)のために作られた舟である。1601年(慶長6年)に山形藩主となった最上
義光は、難所の開削や河岸の設置によって最上川の整備を図った。250俵積み4人乗りの「艜船(ひらたぶね)」は
最上川本流に就航した。それに対し、積載量50俵程度のこの小鵜飼船は支流や船着き場間の近距離輸送に用いられた。
最上川の上流松川(現在の米沢市の流域)に小鵜飼船が登場したのは元禄年間の時代といわれる。長さは約13~15メートル、
幅約2メートルで、前方に帆をかけて風力をも利用した。舳先が尖った流線形をしているためスピードも出せた。また小回りがきいた
ので、川幅の狭い支流で重宝がられた。
上り船では、塩・砂糖・海産物・木綿・茶などが、下り船では米・紅花・青苧・大豆などが運ばれた。
上りには2週間程度、下りには4~5日かかったと伝えられる。
なお、この船は「最上川・川舟保存会」によって製作された(舟大工:大石田町・木村成男氏)。
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山居倉庫の全景。倉庫群の最右に位置する棟は「庄内米歴史資料館」となっている。
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