海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, ランゴレン運河の水路橋&ナローボート, narrow boat, passing through Pontcysyllte Aqueduct, Llangollen Canal, 埼玉県立川の博物館Saitama Museum of Rivers

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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英国ランゴレン運河の水路橋をゆくナローボート
[埼玉県立川の博物館「世界の運河・日本の運河展」(2012年)]

AB

国では特に18世紀の産業革命時代に、そのエネルギー源であった石炭を炭田地帯から産業都市へ輸送 するために、運河網が大いに整備された。それと同時平行的に、輸送手段である石炭運搬船も大いに普及し、盛んに運河を行き来した。 ところで、運搬船は運河の幅員に物理的な制約を受けざるをえなかった。 船体幅が2mほどにして、全長が25mほどもあるような独特の細長い船型が普及した。現在では、その船型を受け継ぐナローボートは 主に娯楽用として用いられている。

像は、英国のイングランドとウェールズにまたがる「ランゴレン運河(Llangollen Canal)」の水路橋 (Pontcysyllte Aqueduct)である。 運河網の整備には河川を浚渫・拡幅したり、またそれらを繋ぎ合わせるために新たに水路を掘削しながらルート上のいろいろな地理的 障害を克服せねばならない。 究極的な障害は、端的にいえばさまざまな形で立ちはだかる地理的高低差ということになる。

低差の克服には、時に水路橋を架けて、あるいはトンネルを掘ることもあろう。 「水の階段」であるロック(閘門)がいくつも連続して造られることもある。高低差のある二つの水路間に傾斜面を造り、 そこに軌道を敷いて軌道運搬車に船を載せて引き上げたり下げたりする「インクライン方式」も用いられる。 画像3,4にあるように「リフト方式」によって一気に数10m昇降させる技法もある。

[出典: 画像A~Dおよび画像1~4/埼玉県立川の博物館での「世界の運河・日本の運河」と題する平成23年度春期企画展 (平成24年3月10日~5月6日)におけるパネル展示。A、Bの写真:British Waterways][A 拡大画像: x25430.jpg][B 拡大画像: x25431.jpg]

* [英語]aqueduct: n.導水管、導水渠(どうすいきょ); 導水橋、水道橋、水路橋; [解剖]水管、水道.


辞典内関連サイト: 
・ 英国カントリーサイドの運河をゆくナローボート [バーミンガム近郊辺り]
・ 埼玉県立・川の博物館、平成23年度春期企画展「世界の運河・日本の運河」 (平成24年3月10日~5月6日)でのいくつかの運河関連特選フォト

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1. 産業革命時に建造された、スコットランド地方にある「カレドニアン運河」の連続閘門の風景。写真所蔵:British Waterways  [拡大画像: x25432.jpg]
2. ロンドン市内の「リージェント運河」風景。写真所蔵:British Waterways [拡大画像: x25433.jpg]

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3. 英国アンダートンの、世界初の近代的なボート・リフト。100トンの船を高低差10mを昇降させることができる。 写真所蔵:British Waterways [拡大画像: x25437.jpg]
4. 英国スコットランドのファルカークホイールのボート・リフト(完成2002年)。エジンバラから来る「ユニオン運河」 (上のリング部分)と「フォース・アンド・クライド運河」(下の水面)の高低差35mを結ぶ。回転するリフトの左側には上昇する ボートが載っている。 1.5kmにわたり連続して配されていた11の閘門が1933年に取り壊されそのままになっていた。写真所蔵: Richard Cooper [拡大画像: x25438.jpg] [拡大画像: x25439.jpg]




[運河に関する技術的説明書き/展示パネルより]
1. 「世界の運河/その歴史と技術:12~15世紀頃のヨーロッパでは」[拡大画像: x25440.jpg]
2. 高低差の克服/調節できる水位差には限界があった。閘門以外の方法:ボートリフトとインクライン [拡大画像: x25441.jpg]
3. 閘門に給排水するしくみ/推移を調節するために、水を入れる方法は [拡大画像: x25442.jpg]
4. マイタ―ゲートの登場 [拡大画像: x25443.jpg]

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[英国主要運河ルート地図] 距離数、ロック、係留場所泊地・食料店・パブなど記されている。
C. [拡大画像: x25435.jpg]
D. [拡大画像: x25444.jpg][拡大画像: x25445.jpg][拡大画像: x25446.jpg][拡大画像: x25434.jpg]
英国運河ルート地図は欧州の運河網を示す大地図の一部。写真所蔵: Inland Waterways International Euromapping  [拡大画像: x25436.jpg:凡例]


    [英語:参考用語]
    lay-by: n.[船が停泊したり、すれ違う(行き違う)ことができるように] 運河(川)などの広げられた部分、停泊所; [鉄道の]待避線.
    lock: n.[運河・川などの]ロック、水門、閘門(こうもん)(=lock gate); 水閘 [2水門間の水域]; [運河などの]堰(せき); 錠、 vt.[運河など]に水門を設ける; [船]を水門に通す、水門を通す、vi.[船が]水門を通る、水門を通過する; [運河が]水門で通じる.
    /a deep draft lock canal: 大喫水の閘門(ロック)式運河 [参考] a sea-level canal route: 海面式運河航路.
    /lock chamber: 閘門で仕切られた区画室.
    /lock type fishway: 閘門式魚道.
    /weighlock: [海]計量水門 [運河通航税を徴収するため船のトン数を量る].
    lockage: n.水門構築; 船の水門通過[税]; [水門操作による] 水面の高低差・度.
    lockkeeper: n.水門管理人.


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