一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
大阪・造幣局前を航行する川蒸気船 [大阪]
画像は「造幣局と外輪船 明治時代」と題される大変貴重な風景写真である。黒煙をもくもくと吐きながら、大阪市内の天満橋に
ある造幣局前の大川 (現在の旧淀川、または土佐堀川)を航行する、両舷に外輪推進器をつけた川蒸気船である。
(画像出典: 大阪歴史博物館)
造幣局から数百メートルほど下流の川べりに「八軒家浜」 (はちけんやはま Hachiken-yahama)という古くからの船着き場があった。
・ 「八軒家」は、中世以来、京都~大坂を結ぶ淀川の河川交通の起点であり、旅人や運送関係者で大いに賑わった。 ・ 11~15世紀ごろ、現在の天神橋(八軒家浜の下流数百メートルにある)付近は、「渡辺津」(わたなべのつ)と呼ばれ、 港として熊野参詣に利用されていた。それ故、熊野古道(世界遺産に登録されている)の起点として有名であった。 ・ 江戸時代、八軒家には三十石船(さんじゅっこくぶね)をはじめ、野崎参 (のざきまいり)・金毘羅参 (こんぴらまいり) などの さまざまな船が発着し、淀川流域の船着場として随一の賑わいを見せていた。三十石船は、枚方 (ひらかた) を経て、八軒家と京・ 伏見の間、11里余り(約45㎞)を上り一日、下り半日で運航し、江戸時代を通して貨客輸送の中心を占めていた。 [八軒家浜の名所案内パネル等参照]
* 辞典内関連リンク: 大阪・八軒家浜 (はちけんやはま) の船着き場跡 [大阪・天満橋]
大阪市内で見かけた、遊覧船 (運航:京阪) による「淀川歴史探訪の旅」の案内ポスター。ポスターには淀川を走る蒸気船「通称・川蒸気船」 (淀川河川事務所提供) が写っている。遊覧船は八軒家浜と枚方大橋との間を行き来する。 [拡大画像: x26177.jpg]
川蒸気船に似せた遊覧船が大川をゆく。正面は中之島。左に土佐堀川が、右に堂島川が流れ、その後合流して安治川となって大阪湾に注ぎ行く。 [拡大画像: x26235.jpg] |